こだわりの環境
全てのこだわりは鶏たちの潜在能力を引き出すためです
鳥インフルエンザをはじめとした疾病予防の観点から、現在は私どもの立会い指示のもとでしか、鶏舎の中や敷地内に入り、見学していただくことはできません。
それでも、このページで紹介している鶏舎については、国道7号のすぐそばに建っていますので、外からは鶏の様子を見ることができます。また、国道と並行して走るJR羽越本線の列車内からもほんの短時間ですが、見ることができます。鶏舎の場所の詳細はこちらから確認できます。
お近くにお越しの際はぜひご覧いただき、実際に鶏の様子を感じていただければと思います。鶏も人間同様感情を持っていますので、落ち着いている日もあれば、そわそわしている日もあるのがわかるでしょうか。
鶏舎内にはモーツアルトのBGMが流れ、近くに卵の自動販売機もあります。
春から秋にかけては、隣接するビニールハウスで野菜の苗も販売しています。
人間の気配に、何か美味しいものをくれるのでは!?と期待を抱いて集まる鶏たちを見てやってください。ほんと、かわいいですから。
放し飼い鶏たちの環境はこんなところです
当店の鶏舎は、大きく分けてこの写真に写る鶏舎(1)と鶏舎(2)のある海のすぐそばと、写真右手奥から少し山に登ったところの2個所にあります。
鶏舎(1)と鶏舎(2)は、目の前が海なので、鶏舎の中にはいつも汐風が吹き抜け、汐の香りが漂います。
冬の日本海は毎日のように荒れた海になります。そして西や北から吹き付ける強風に、砕けた波飛沫が大量に降り注ぎます。これが実は鶏たちには欠かすことのできない自然現象です。
山や畑などあらゆるものに降りかかるミネラルたっぷりの海水は、春以降の山野草に吸収され、外の遊び場の土にもたっぷり含まれます。それを鶏たちが好んで食べる。人間が中途半端に手を加えなくても自然の力はきちんとシステムを作っています。それを私たちは利用させてもらっていのです。
ちなみに夏には、地元漁師さんに限ってですが、この下の海でアワビやサザエ、岩牡蠣などがとれるほか、スズキや黒鯛キスといった魚も、岸から釣ることができる有名スポットとなっています。
近くの田んぼで育てた岩船産コシヒカリや、畑で採れた夏野菜をはじめ、大根やカブの葉などが鶏たちの食欲を満たしてくれます。
全く悪臭なし!放し飼いの鶏舎内部をはこうなっています
この写真は上で紹介した「鶏舎(2)」の様子です。鶏たちが放し飼いになっている鶏舎の中がわかるでしょうか。
写真ではお伝えできないことがいくつかあります。まず第一に臭い。養鶏場独特の悪臭は、当店の農場では全くありません。その理由は・・農場でお話しすることにします。
それから、鶏たちの様子。静かに大人しくしている時間や、喧騒とする時間があるのですが、それもその雰囲気は伝わりません。だからこそ、現場を見る価値があるのです。
この写真では鶏舎の奥の様子が分かりにくいのですが、この鶏舎では約600羽が同じ場所で飼育されており、外へ出て遊んだり餌を食べたりするのも、巣箱に入って産卵するのも全く鶏の自由にできるようになっています。
オレンジ色の入れ物は餌が落ちてくる容器です。内側の筒の下に隙間があり、そこから内部にためてある餌が、外側の受け口へ自然と出てきます。この餌箱そのものにも自動で餌を与えることができるようになっています。いつも新鮮な餌を必要な分だけ与えることができ、省力化と餌搬入時の鶏の事故を防ぐことができました。
左の写真は、ちょうど巣箱の裏側になります。鶏たちがそれぞれ思い思いの巣箱の中で産卵すると、こちらの通路側に卵が転がってくるように、設置してあります。グレーのフタがかかっているのが分かるでしょうか。ここが卵が集まる場所になります。
私たちが採卵作業をする時には、こちらの通路を使って卵を集めます。
放し飼いの鶏たちの遊び場
この写真は、近所の農家の方が持ってきてくれた大根の葉や野菜クズなどの青菜です。
地元の農家の方は、ほとんどがスーパーなどへ出荷するために野菜作りをしているのではなく、自家用を主に、親戚や町を離れて暮らす家族へ送るために作っている状況です。このため、農薬の使用にも各農家が非常に気を遣ってくれていますので、鶏たちにも安心して与えることができるのです。
春や冬の始めに鶏舎から出た鶏糞などを畑に入れ野菜を大きく育て収穫させてもらったお礼にと、今度は鶏たちに持ってきてもらうもので、鶏たちも大好物。この写真のように鶏舎の前におかれると、鶏たちは一斉に鶏舎から飛び出してきて、早くちょうだいと言っているかのようにおねだり状態となります。
そのいただいた葉っぱ類を与えると、左の写真のような状態となります。鶏舎中央の出入り口からは、外の様子を見ていた鶏舎内の鶏たちが羽を広げながら猛スピードで外の餌に走ってきます。
カゴで2つ程度の野菜くずなどは硬い芯を残し、ものの5分程度で食べつくされ、その芯も1時間もしないうちに跡形も無くなってしまいます。
餌にもこだわりがあります
これがある時期の、当農場オリジナルの餌になります。主な原料はやはり「とうもろこし」。黄色の大きい粒がそれになります。そのほか、飼料米や大豆油かす、コーングルテンミールなどを使った配合飼料をベースに、オリジナル飼料を創ります。
もちろん原料穀物は、遺伝子組換の混入を防ぐため「分別生産流通管理済み」のものを指定し、生産者や輸送業者、飼料会社などその流通にかかわる経路において、組換飼料との混合がないよう、証明書などの提出を求めています。
ベースの飼料に混ぜ合わせるのは、下の写真にある「牡蠣ガラ」をはじめ、発酵米ぬかや酒かす粉末、エゴマの搾り粕、枯草菌、乳酸菌といった自然由来のもので、鶏の体質を改善するものを取り入れています。
鶏の日齢(人間でいう年齢)によるもののほか、暑さや寒さといった鶏たちの体調に大きな影響を与える要因も加味して、季節によってこれらの配合割合や投入量を変えていきます。
当農場で現在使用している国産の牡蠣ガラです。牡蠣ガラはカルシウムはもちろんのこと、海のミネラルも多く含んでいる優良な飼料です。
大粒のものから、もっと細かいものまで用途に合わせて、選ぶことができます。鶏は大きい粒のものから拾って食べる習性があるため、食欲が減退し量を多く食べない夏の間は、牡蠣ガラの量を減らし、卵を産むために必要な栄養分を、摂取するようにしています。
これらのオリジナル飼料に加え、春から秋にかけては、山野草を中心に露地野菜を与え、冬は無加温のビニールハウスで育てた無農薬野菜を中心に、毎日根や土がついたまま加工することなく直接与え、鶏たちの持つ野生の力を引き出すよう努めています。