卵黄色は季節とともに移ろいます
Posted at 08/09/14 PermaLink»
いつも放し飼い鶏の卵をご利用いただいている、民宿の女将さんからの質問。
「夏の卵って卵黄の色が薄くなるの?」。
鋭いところを突いてきました。そうなんですよね。
卵黄色は、季節とともに移ろいます。もちろん何を食べているかが問題になるのですが・・。
考えられる理由はこうです。
鶏は、与えられた餌の中から粒の大きい食べやすいものから食べる習慣があります。
配合飼料でいえば、「牡蠣ガラ」が食べやすい程度に大粒です。
そして、暑さに弱い鶏たちは、夏場どうしても食欲が落ち、食べる餌の量も少なくなります。
言い換えれば、食べた餌の全体量に占める牡蠣ガラの割合が多くなり、卵黄の黄色を作るトウモロコシなどが不足気味になります。
その結果、夏の卵黄は黄色がより薄くなってしまう、ということです。
この理由以外にも、鶏の日齢(人間でいう年齢)や種類、飼育環境なども当然影響してきます。
(鶏たちが外で遊ぶ場所に、日除けと鶏たちの食料を兼ねて、育てているカボチャ)
当農場では、8月まではカボチャの葉や茎が、主な緑餌となりますが、9月に入ってくると、今度は美味しく実った、カボチャの実を多く食べさせるようになってきます。
そうすると、食べる餌が変わるため、8月の卵よりも、カロチンなど「黄色」を含むカボチャの実の影響を受ける、9月のほうが卵黄の色は黄色が少し濃くなってくる傾向が見られます。
もちろん、涼しくなってきますので、食欲も回復してくる影響も大きいでしょう。
いずれにしても、鶏たちの自然とともに生きる営みが、卵黄色に影響を与えているだけですので、当店としては、季節の移ろいによる卵の変化は自然のことと思い、卵黄色を一定に保つ飼料をはじめ、栄養補給のためのビタミン類や、食欲増進などの飼料に、必要性を感じないのです。
もうすぐ、秋の一大イベント「稲刈り」が始まります。そうすると、今度は新米コシヒカリのくず米などが、鶏たちの餌となります。
籾殻付きの状態も好きですが、玄米の状態も非常に好んで食べるので、10月中旬以降は、また少し卵に変化があるはずです。
(鶏たちは目の前に実ったカボチャが気になっています)
当店の放し飼い鶏の卵に変化を感じられましたら、「この卵は今の季節のどんな美味しい餌を食べたんだろう」と、思いを馳せていただければ大変嬉しい限りです。
今日も鶏たちは一生懸命に生き、たくさんの卵を産んでくれています。
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