ウクライナ危機で飼料価格が高騰?
Posted at 14/03/15 PermaLink»
ウクライナといっても日本では、ピンと来る人はあまり多くはなかったと思うし、今でも「遠くの馴染みのない国」かもしれない。
しかし、古くからヨーロッパの穀倉地帯と呼ばれていて、特に、飼料用トウモロコシについてはアメリカの遺伝子組み換えを嫌い、価格の高騰化などのリスク分散もあって、近年ウクライナからの輸入が伸びてきていた。
全体に占める割合は、2014年1月の1か月間の実績でみてもアメリカ約46%、ブラジル約30%、ウクライナ23%(約188千トン)となっているから、その依存度が高いのが分かってもらえると思う。
この国の政情不安が広がってすぐ、アメリカの穀物先物取引価格は敏感に反応。アメリカの穀物が豊作で、一時値動きが止まっていたのが再び上昇方向へ動き出している。
4月は、3か月ごとに実施する飼料価格見直しの月。この価格決定に国際相場の値動きが大きく影響するため、上昇は必至。
米露外相会談が平行線で終わったことで、クライナの正常化がどんどん遠のいてきた。
16日の住民投票がひとつのポイントとなるのだろうが、クリミアの歴史を見れば簡単には解決に向かわない雰囲気。
もちろん、トウモロコシだけでなく小麦も輸入しているから、畜産だけでなく人間が口にする小麦を原料とした食品群に影響がないはずがない。
東ヨーロッパの小さな国の「これから」が、日本の食卓に大きな影響を及ぼすとの報道はあまり聞かない。
一時的な「家計直撃」といったお茶を濁すような報道ではなく、もうそろそろ日本の食卓の構造を考えるような報道になるべきと思う。
飼料価格アップと消費税率アップのダブルパンチ。これで、買い控えが進んだらどうなってしまうのか。
いったい幾ら上がるのか・・ウクライナ情勢を、畜産関係者は固唾を呑んで見守っている。
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